「実家が遠方にあってなかなか帰れないんだけど…」
「もう誰も住んでいない空き家があるけど、どうしよう…」
面倒な空き家の管理ですが、適切に利活用することで次のようなメリットが得られる可能性があります。
このページの目次
家賃収入により経済的な負担を抑えることができる
>>何もしないと「負動産」に?空き家になるとかかる税金と費用について解説しますにて説明した通り、空き家を放置していると様々な税金や維持費がかかります。
空き家を誰かに貸すことで毎月の収入が確保できれば、それらの支出を賄うことができるかもしれません。
少なくとも水道光熱費は借主の負担になるため、固定資産税や定期的な修繕費を賄うことができれば、不労所得になる可能性すらあります。
そのほかにも空き家を利活用した場合、経済的なメリットが受けられる仕組みがあり、総合的に経済的な負担を抑えることができるかもしれません。
- 相続した空き家を耐震補強して売却
- 相続した空き家を解体して更地にした後に売却
このような場合に、売却額から3,000万円が控除され、譲渡所得に対する税金が軽減されるという制度があります。
また、相続財産を譲渡した場合、相続税の一部を経費することができる特例により税金を軽減することもできます。
空き家を管理しながら今後の利活用方法を中長期的な目線でしっかりと考えておくことで、優遇措置を最大限活用することができるようになります。
不動産としての価値を維持しやすくなる
建物は人が住まなくなると空気の動きがなくなり、締め切った建物の内部に湿気がこもることで劣化が急速に進んでしまいます。
空き家の劣化を防ぐためには定期的に換気を行うなど、日頃の管理が大切です。
特に屋根が痛んだことなどによる雨漏りに長期間気づかないと、屋根や柱など基礎に大きな影響を及ぼす可能性があります。シロアリの被害が進行した場合もダメージが深刻になりかねません。
劣化が進んだり基礎にダメージがある物件は、購入した後に多額のリフォーム代がかかることからそもそも価格がつかず、売れないケースがほとんどです。
少なくとも借り手の人が住みながら日々管理していればそのような状況になることを防ぐことができ、不動産としての価値も保ちやすくなるのです。
ご近所とのトラブルを未然に防ぐことができる
長期間放置された空き家は以下のようなご近所トラブルの原因となる可能性があります。
- 悪臭がする
- 虫が湧いて迷惑
- 伸びた庭木が邪魔
- 台風で倒壊しそうで不安
- 枯れ葉が溝を詰まらせて困る
- 庭木が道路に大きくはみ出ていて通りづらい
そのままにしておくとトラブルでは済まず、最悪の場合は訴訟になってしまう懸念もあります。
誰かに貸すなどの利活用をしておくことで、こうした悩みを抱えることを未然に防ぐことができます。
損害賠償責任を負う危険を回避できる
誰も住んでいない空き家が倒壊して誰かを傷つけてしまった場合、所有者が責任を負わなければならないのです。
仮に所有者が他界していた場合は、相続人が責任を負う必要があります。
民法の717条に「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」との定めがあります。
放置していた実家が倒壊してしまい誰かを死傷させてしまった場合、相続人である自分に賠償金が請求されてしまうかもしれません。
空き家を放置しているということは、このような法的リスクを常に背負っていることも意識しなければならないでしょう。
地域の力になる若い移住者が入居する可能性がある
空き家を貸せるようにしておくことで、若い人が移住してくるかもしれません。
空き家が多くなった地方は高齢化が進んでいるところがほとんどで、伝統行事や集落での活動が数年後には成り立たなくなってしまうような場所もあるでしょう。
今はインターネットさえ繋がっていればどこでも仕事ができる世の中です。田舎でも仕事ができる若い人が地域の力になってくれる可能性もあるのです。
まとめ
- 家賃収入により経済的な負担を抑えることができる
- 不動産としての資産価値を維持しやすくなる
- ご近所とのトラブルを未然に防ぐことができる
- 損害賠償責任を負う危険を回避できる
- 地域の力になる若い移住者が入居する可能性がある